先日、簿記1級の勉強方法について質問があったので、
ブログで紹介することにしました。
実際の内容からは少し一般化した内容を紹介したいと思います。
より多くの方の参考になればと思ったので。
簿記1級の勉強方法についての悩み
簿記検定は学生はもちろん、社会人になってからも受験する人が多く、
なかなか時間が取れない中でどうやって勉強していったら良いか?
という悩みは多いようです。
僕自身は公認会計士ではありますが、
簿記3級〜1級まですべて受験経験があり、すべて高得点で合格していますので
実際の合格者からの目線で紹介できると思います。
悩み1「試験まで時間がないので短期間で合格するための方法が知りたい」
まず、時間がない場合は当然ですが、現状とゴールへのギャップを埋める必要があります。
どの資格試験でも同様だと思いますが、
一番はじめにするべきことは「過去問」を解いて傾向を見ることです。
目指すゴールは本試験なのに、本試験の問題を解かない人が案外多い。
ゴールがわからないけど、とりあえず走り始めるのは危険です。
特に時間がないときはね。
具体的には、とりあえず市販のテキストを買って前から順番に、、、というのは時間がない人にはやってはいけない勉強法です。
3キロを4分で走ってね。
って言われてるのに、3キロを15分のペースで走ってても絶対間に合いませんので。。
一旦、はじめにやるべきは「現状の自分」と「本試験のレベル」のギャップを埋めることです。
その上で、ゴールから逆算して、
あとトータル何時間ぐらい勉強できるのか?
それなら、どの程度の割合で各科目・各論点を潰す必要があるのか?
を考えていかないといけません。
悩み2「仕事をしているが、どうやって勉強時間を確保すべきか?」
学生であれば、比較的多くの時間を費やせるので、
学生のうちに簿記検定の勉強など、まとまった時間が必要な資格取得に時間を費やすのは有効な方法だと思います。
ただ、悲しいかな、
多くの人は社会人になって仕事を始めてから、途中で部署異動なども経験する中で資格取得の必要性を感じてしまうことって、往々にしてあると思います。
社会人の場合は、当然に平日は仕事漬けで夜遅くまで、
忙しい仕事だと休日まで仕事がある場合だってザラです。
そういう意味では社会人(特に企業勤めの方)は資格取得のための勉強時間を確保するだけでも一苦労です。
また、試験合格に向けて多くのライバルが「時間をたっぷり持った学生」という点も、
相対試験であれば時間面で不利になります。
そんな中、どうやって時間を確保すればいいのでしょうか。
僕が良くしていた勉強方法は、
- 朝早く起きて勉強
- 夜遅くに少し勉強
- お風呂の時間を有効活用
- 通勤時間・移動時間を有効活用
です。
一番効果が出るのは、やっぱり朝早く起きて勉強ですね。
ただ、これには少し根気がいります。
夜遅くに勉強するのは、あまりオススメできません。
記録は夜に定着しますので、睡眠時間はしっかり確保する方が得策です。
お風呂の時間を有効活用するのは意外と効果が高いです。
記憶を短期間で定着させるために必要なポイントは2つ。
- 復習するタイミング(エビングハウスの忘却曲線)
- 声に出して覚える
エビングハウスの忘却曲線を利用して復習するタイミングを意識しましょう。
エビングハウスの忘却曲線によると、
- 20分後には42%は忘れている
- 1時間後には56%は忘れている
- 9時間後には64%忘れている
- 1日後には67%忘れている
- 2日後には72%忘れている
- 6日後には75%忘れている
- 31日後には79%忘れている
というデータがでています。
受験を経験したことがある方なら聞いたことがあると思いますので、
この忘却曲線の性質を活かして復習するのが効果的です。
お風呂の時間を有効活用するとは、
例えば、お昼に覚えた理論を、夜のお風呂で記憶のチェックをするのです。
覚えた範囲をコピーして、それを風呂場に持ち込むのも良いでしょう。
ポイントは、声に出して復習することです。
お風呂の湯船につかる時間を有効活用すれば、5分や10分あればこれができます。
この時間を有効に使いましょう。
特に時間のない人は。
通勤時間・移動時間を有効活用は言うまでもありません。
スマホをのぞいている時間を勉強にあてるのです。
一番理想は音声教材を聞くことです。
これであれば、歩いていても、満員電車でも関係なく勉強できます。
工夫して勉強時間を確保しましょう。
こういった動画の講義を有効活用するのも良いでしょう。
初月無料で経理の仕事に役立つ150以上の動画が学べるサイト【Accountant's library】
また、通勤時間にスマホでも受講できるKIYOラーニング を使ってみるのも良いかもしれません。
悩み3「どの科目を優先すべきか?」
簿記1級では、
- 商業簿記・会計学
- 工業簿記・原価計算
が出題範囲ですが、優先すべきは
商業簿記・会計学の計算部分でしょう。
この部分は、やればやるだけ伸びる分野であってあまり期待を裏切られません。
僕の経験上ですが、
工業簿記・原価計算は結構パズル的な要素も強く、得意・不得意が分かれる分野です。
これは、公認会計士試験でも同様です。
ですので、工業簿記・原価計算は正直、苦手な人は頑張った割に報われないことって往々にしてあるんですよね。
なので、確実に伸びる商業簿記・会計学を優先すべきだと思いますね。
悩み4「休日の勉強方法は?」
休日は社会人の方からすると、まとまった時間が確保できる貴重な日となることでしょう。
この休日にどうやって勉強するかで合否に大きく影響するでしょう。
時間が確保できる休日だからこそ、「勉強する環境」を強制的に作ることは大切です。
短期間で合格することを考えると、ダラダラと勉強することも少ないかもしれませんが、
勉強に身が入らなくてなかなか取り組めない日がある場合は、自分が思っているよりも時間をロスしている恐れがあります。
「勉強する環境を作る」とは、
たとえば、家で勉強する場合はやる気が出なくても、とりあえず勉強する机の前に座ることです。
人間は不思議とやりはじめると、思ったより出来てしまうものです。
そういう意味では、とりあえず勉強を始めること、は意識しておいて損はないでしょう。
試験勉強前にやる気が出なかったけど、やり始めたら意外と集中していた。なんてことありませんか?
それと同じです。
まず、動きましょう。気持ちは後からついてきます。
事前に勉強スケジュールをきっちりたてておくことは大切です。
週末に、翌1週間の確保できる時間を予測して書き出しておくのも1つの方法です。
その中で、どの日に何時間、何をやるのか?
を書いておいて、それを潰せるように意識していく。
仕事では、PDCAを回すのに、いざ勉強になるとそれをしない人は意外と多いのでしっかりと意識していきましょう。
仕事も勉強も考え方は同じです。うまくマネジメントしましょう。
悩み5「オススメの勉強教材を知りたい」
オススメの勉強教材は以前にも記事を書いていますので、
こちらも参考にしてください。
個人的には、TACのスッキリわかるシリーズが図解も多くてわかりやすい印象でした。
何冊かに分かれていますが、参考に代表的なものを紹介しておきます。
- 商業簿記・会計学(損益計算編)
- 商業簿記・会計学(資産・負債・純資産編)
難しい専門用語と文章ばっかりのテキストって、結構やっててしんどいんですよね。
ただでさえ、会計ってわかりにくい部分が多いのに、
それを文章で書かれると余計にわかりませんよね。
そういう意味で、このスッキリわかるシリーズは図解も多くてわかりやすいです。
参考になれば幸いです。