学生時代に親から「資格を取れば?」って言われたことありませんか?
これは、理にかなっている部分もあれば、そうでもない部分もあります。
親からこんなことを言われてモヤモヤしている人は、この記事を読んでもらうと少し解決の糸口になるかもしれません。
また、親の立場からは、「子どもは想像以上に色んな受け止め方をする」ということを冷静に考えて助言する必要があることを考える機会にしてもらいたいと思います。
親が言うアドバイスって、人によっては結構強い「強制力」があるものです。
学生が資格取得を「とりあえず」目指してみるのはアリか?
やりたいことがある程度見えている場合
やりたいことがある程度明確に見えてきている学生は、その資格取得が直接的に役に立つのであれば取得するべきです。当然ですね。
ただし、その「やりたいこと」と「資格取得」が直接つながらない場合は少し立ち止まって考えてみてください。
特に学生時代であれば、親に生活費を出してもらいつつ、本当に好きなことに打ち込める絶好の機会です。
学生時代はそこまで意識しないかもしれませんが、特に大学生は授業も毎日のように終日入っているわけでもなく、最も「やってみたいこと」に対して気楽に打ち込め、その世界に飛び込める時期でもあります。
僕は大学時代にはほとんど公認会計士の受験勉強で潰れてしまいましたが、これも学生時代でなければ続かなかったでしょう。
自由な時間が多くある「大学生としての特権」があったからこそ、好きなだけ勉強して資格取得に集中できたのです。
時にはアルバイトに精を出していた時期もありましたが、今思えば、アルバイトもそこそこにしておいたらよかったなぁ〜なんて思いますし、
アルバイトをするならするで、もっと明確な「目的意識」を持って働くべきだったな、と反省している部分もあります。
例えば、「人見知りだから少しでも改善するために接客のアルバイトをしてみよう」という目的意識でも良いと思います。
「将来シェフになるのも興味があるから、飲食店で厨房をやらせてもらおう」という単純な目的でもいいと思います。
また、将来働きたい業界に携わってみることも良い経験になるでしょう。
建設関係に関わってみたいのであれば、関連する建設事務所でアルバイトとして採用してもらえないか直談判するのも良いでしょう。採用してもらえれば、他の人では経験出来ないことに挑戦できるチャンスです。
なぜここまで言うのか。
働き出した社会人の多くは実感があると思いますが、やりたいことがあってもなかなかすぐに始められなかったり、そのやりたいことに一点集中できなかったりすることが往々にしてあります。
これは、生活費を自分で稼がないといけない場合や、企業に就職した場合は時間も場所も拘束される時間が大幅に増加するからです。
やりたいことが明確に(又はある程度)見えているなら、時間のあるうちに関連する勉強や経験をしておくのが得策です。
そんな中で、「役に立つかもしれないから」という理由でとりあえず資格の勉強をやっておこうとするのは、使う必要のないエネルギーを消費することになりかねません。
具体的な例を1つ。
はっきり言って、教師になる気が全くないのに実習まで行って教職免許を取らなくていいと思います。
少しでも、将来教師として働く未来が見えるのであれば取っておいてもいいかもしれませんが、それを保険に使うのであれば、はじめからやらない方がマシです。
そのエネルギーをやりたいことに使いましょう。
やりたいことがあるって素晴らしいことです。
やりたいことがイマイチわからない場合
一方で、やりたいことがイマイチわからない場合。
多くの人がこのパターンであることが多いです。特に仕事となると。。。
仕事は生活費を稼ぐために渋々やってるんだ!という人には響かないかもしれませんが、そんな人生つらくないですか、、、。
多くの人はここにつまずき、どうしたらいいか頭を悩ませています。
やりたいことがある人に対しては、「資格をとりあえず取るぐらいなら学生時代にやりたいことをやりなさい」と伝えましたが、何をやりたいかよく分からない人は、資格取得を考えてみるのも1つの手です。
ただし、「難関試験に限る」。
難関試験の最も高いハードルは、「資格取得に時間がかかること」です。
大学生が「とりあえず役立つかもしれないから簿記3級を受験しておこう」と勉強していたりしますが、極論言うと、簿記3級なら働きだして必要性を感じてからでも十分に短期で取れる資格です。
しかも、学生時代に取得したって、仕事でしばらく使わなければ簿記の知識は綺麗さっぱり消えていることも多いので、今あえて取る必要はない。それであれば必要性を感じたときに集中して取得すればいいと思うのです。
一方で、公認会計士試験や税理士試験に合格して資格を取得するのはもう少しハードルが上がります。
働きだしてから、「そうだ!公認会計士の資格を取ろう!」と思いついてもなかなか簡単に取れるものでありません。
また、公認会計士試験は基本的に誰でも受験できますが、税理士試験を受験するには一定の受験資格が必要です。
こういった点も考えておく必要があります。
公認会計士と税理士の違いはこちらを参考にどうぞ。
➡︎公認会計士と税理士はどう違うのか?その業務、収入、試験制度。 - 公認会計士わんころくんの人生戦略
では、具体的に、公認会計士の資格で考えてみましょう。
将来したい仕事がイマイチ見つからない大学生がいたとしましょう。
この学生が、公認会計士の資格を学生時代に「とりあえず」勉強してみることはアリでしょうか。
僕はアリだと思います。
なぜなら、そういう人を多く見てきて感じることがあるからです。
公認会計士の中には
「学生時代には特にやりたいことがわからなかった。でも、経営や商売にはなんとなく興味があった。」とか、
「なんとなくカッコよさよう。お金も稼げるのかな?」なんて動機で勉強を始めた人って実は結構います。
そんな人でも、勉強しているうちに壁にぶつかったり、公認会計士として働いていく中で自分の「軸」が出来てきた結果、充実した仕事をしている人が多くいるのも事実です。
それは、「やってみないと気づかなかったこと」でした。
こういう事例が実際にあるので、何をしたいかよく分からない人は資格を目指してみるのもアリだということです。
ただし、「難関資格に限る」です。
※難関ではなくても、取得に時間がかかる資格は価値があるでしょう。
また、仮に受験自体には失敗したとしても、受験で得た知識や想いを軸に他業種で活躍している友人も見てきました。
ただし、その前に1つ立ち止まって考える必要があります。
それは、「本当にやりたいことはなかったのか?」ということ。
やりたいことは、極論仕事でなくても「こんな生活がしたい」というのでも構いません。
こんな言い方をすると、毎日仕事に行かずに家でダラダラとゲームしたいな〜なんて言い出す人もいますが、それは本当に一生したいことでしょうか?何十年もしたいことでしょうか?
この点を今一度考えみてください、長い目で。
医療の発達に伴い、人生100年時代と言われています。
そんな中で「ゲームをしながらゴロゴロ過ごしたい」というのは、おそらく長期的な本望ではないはずです。
本当にそうなんだよ!という人は、ゲームを極めてみてください。
それが仕事につながる可能性があります。ただ、中途半端にやるぐらいならやめておいた方がいいですよ、ということ。
先のことを考えないといけないな〜って思った人はこの記事も読んでみてください。
➡︎「人生の目的」とは何か?を考えてみた。 - 公認会計士わんころくんの人生戦略
➡︎これからの時代を生き抜くために必要な知識 - 公認会計士わんころくんの人生戦略
バラバラの点が線となって繋がる場合もある
公認会計士試験の例でも少しお伝えしましたが、実は自分では気づいていなくても、後で振り返るといろんな「点」の経験が「線」として繋がることがあります。
わかりやすく例を挙げてみましょう。
「無添加住宅」って知っていますか?
兵庫県西宮市に本社がある住宅メーカーです。
無添加住宅は、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどの毒性物質を一切発しない完全無添加の住宅を建てています。
無添加住宅を建てるきっかけは、あるお客さんがシックハウス症候群だったことのようですが、無添加住宅の社長はもともと植物や昆虫が大好きな少年でした。
将来は植物博士になりたいと思っていたほどに。
学生時代は少しずつ貯金を貯めて、世界中の植物を探しに旅に出るほど好きだったようです。
でも、家業が建設業だったことをキッカケにその業界に就職することになります。
そんなある時、さきほど説明したシックハウス症候群のお客さんが訪ねてきたことをキッカケに、「自分の今まで興味のあった植物の知識や経験を使えば、自分にしか建てられない完全無添加の住宅が出来るかもしれない」と思い立ちました。
これが無添加住宅の誕生秘話です。
人生どこで繋がるかわからないものです。
資格だって思いもよらず役に立つことがあるかもしれません。「ただし、難関資格に限る」としたのも希少価値を出すため。
誰でもとれる資格を持ってても付加価値になることは難しいでしょうから。
そんなに考えたくないなぁ〜って人もいるでしょう。
そんな人は、今を大切にしてみてください。
今頑張っていることや楽しいことが将来どこかで繋がるかもしれませんよ。