独立開業準備の一環としてセミナーを受講してきました。
AIが発達するに従って税理士業務のうち、記帳代行業務はなくなっていくと言われていました。
確かにそうで、記帳代行や単純作業のような代行業務は機械でできるようになる未来がくるのは想像できます。
僕が好んで読んでいるブログ「EX-IT」の井ノ上さんも同じことを言っています。
井ノ上さんの本もこの記事で紹介しています。
では独立した公認会計士や税理士事務所が生き残っていくために大切なことはやっぱり相談業務といわれるコンサル系の業務。
これは公認会計士である税理士の人が、監査法人の経験を活かして差別化できるポイントになるでしょう。
セミナーでは10年後になくなる職業についても紹介されていましたが、
まさに当ブログで前々から書いていて、自分自身考えている内容そのものでした。
やっぱり消えていくのは「誰がやっても結果が変わらない仕事」。
逆に「人によって結果が変わる仕事」の代表例がコンサルなどの相談業務。
人によって結果が変わるということは、人によって値段も変わるということ。
ビジネスの失敗例で多いのが価格競争に走って安売りすることですが、人によって成果が異なる仕事であれば、高いサービスを適正価格で売ることができます。
つまり、安売りする必要がなくなるのです。
結局士業ビジネスもここに行き着くのだと思います。
税理士業務でいえば、単なる記帳業務だけでなく、たとえば「書面添付」をしてあげるとか、月次の巡回訪問(巡回監査ともいいます)を必ずやってあげることがそれに該当します。
書面添付とは、税理士さんが申告書の作成代行をしてあげるときに、「税理士として申告書のどこを意識してみたのか?」を書面化することで税務調査が省略される制度です。
詳しく知りたい方は、こちら(日本税理士連合会のHP)をご覧ください。
単なる代行屋になってしまう士業は税理士に限らず仕事が減っていく運命にあるでしょう。
それは法律を扱う仕事(弁護士、司法書士、社労士など)でも同じだと思います。
だって、該当する法令とか判例を探すのなんて機械が絶対できるようになりますから。
独立した公認会計士・税理士がやるべきことは、単なる税務(申告とか代行)だけではなくて、会計に関するコンサルや経営についてのアドバイスが強く求められるようになるでしょう。
ここが実は昔ながらの税理士の方(ご年配の方)で気づいていない人が多いようです。。。
そういう意味でも、ますます公認会計士から税理士登録した人の活躍できる場が広がりつつあります。
セミナーでも、税理士の勉強をして税理士資格をとった先生が「税理士(税理士試験を受験して税理士になった人)にとって、公認会計士・税理士が増えることが脅威でもある」と言っていました。
この先生は、税理士試験の勉強をして税理士になっているので、公認会計士としての資格はないし、当然公認会計士としての業務をしたことがありません。
一方で、公認会計士は登録すれば税理士資格をとれます。
そういう意味でも公認会計士でもある税理士はこれから強くなると感じて明るい未来が少し開けた気がします。
会計士と税理士の違いについては、この記事にも紹介しました。
税理士にも公認会計士監査のような「保証業務」が求められる時代がきているといいます。
保証業務とは、その決算書や申告書が間違っていないっていうことを保証することです(※ただし、間違っていないことを確約するのではありません)。
「保証」するためには、その会社の経営や実際に起きている問題点などを深く理解していないとできるものではありません。
それは会計監査をやっている身として、ひしひしと感じます。
お金を貸す銀行などの金融機関の立場からしても、会計士や税理士が保証してくれると助かりますよね。
その会社の財政状態や経営成績に信頼がおけます。
そういう点でも、社会からのニーズは高いといえるでしょう。
特に大手の基盤のしっかりとした上場会社を監査してきた公認会計士はこの点においても活躍の余地が大きいと思います。
また、経営者というのは「孤独」な立場にいると本にもよく書いています。
「孤独」とは、つまり寂しがりやです。笑
自分の職場でも、偉い立場にいる人は「寂しがりや」の人が多い気がします。
みんな立場が上の人には気軽に話しかけづらいですからね。。
そんな経営者の良き相談相手になれるかどうか、が今後生き残れるかどうかの生命線ではないでしょうか。
これからも「どうすれば自分を選んでもらえるのか?」についての答えを探しながら仕事をしたいと思います。
AIで仕事がなくなると不安なる方も多いのが事実ですが、
公認会計士受験生にも明るい未来がまだまだありそうですね。
大学生がとりあえず会計士の受験勉強をするのも捨てたんもんじゃないかも。