中国企業の経営について、ものすごいスピード感がある、という雑誌の記事を読んだ。
確かにそうかもしれない。
瞬く間に企業が巨大化して、巨額の設備投資をしている企業も目立つと聞く。
大手では倉庫の自動化も当然のように進めている。
日本に来てインバウンド需要が見込まれ、「爆買い」なんてことが言葉として流行った時期もあった(今となっては定着している感があるが)。
日本の観光地にいけば、必ず中国人の富裕層が1人はいる。
有望な土地やマンションが出てくれば中国人投資家が買っている、という噂さえ聞く。
製造業でも、品質はともかくスピード感を持って仕事を終わらせる国民性があるのが中国の工場だった。
メイドインジャパンではなく、メイドインチャイナに引け目を感じる日本人が多いのも、この「品質」に対するこだわりの違いではないだろうか?
一方日本では、品質が重視されることが多い。
職人肌の方も実際多く、そんな人達はこだわりが強い。
いい部分を挙げれば、もちろん、高品質な仕事をしてくれるので安心感があるところ。
でもあえて欠点を挙げるとすると、スピード感が遅い。
そりゃそうだ。こだわれば時間がかかる。
ここのバランスが結構難しい。
最近では、仕事の手法として「スプリント」や「アジャイル」という言葉が人気だ。
いずれも、完璧に仕事を完成させてから成果物を出すのではなく、「とりあえず」、「ひと段階進めば」、「柔軟に変更する」という部分が特徴的だ。
なんせ、いきなり完璧なものなんて出来っこないよね、という考え方が根底にある。
確かに合理的だ。
スプリントについての考え方は、この本が参考になる。
アジャイルについては、以前のハーバードビジネスレビューでも特集が組まれていた。
この記事でも、その月のハーバードビジネスレビューを紹介しているので是非見てほしい。
最終成果物は品質の良いものを出すにしても、小出しに修正しながら成果物を少しずつ承認してもらうのは良い方法だと思う。手戻りが減るから。
勝手なイメージだけど、中国人は金持ちが多いように感じる。その分、貧富の差も激しい。
成功する人はスピード感を武器にしているのかな。
なんせ中国の人口は13億人、日本の人口は1億人って考えると成功している人の絶対数が多いのは当たり前かもしれないが。
いずれにしても学ぶところはある。
ただ、あまりスピード感ばかりを求めると、どこか「美学」のレベルが下がるような気がするのが個人的には気になる。
例えば世界的なブランドはヨーロッパやアメリカ、日本にはある。
けど、あんまり中国にはないように思う。僕が知らないだけだろうか?
採算度外視で時間をかけた結果、芸術的なものが生まれる可能性は大いにあると思う。
こういう考え方自体が日本人っぽいんだろうか。
日本人は世界的には、保守的な部類に入っているとは思っている。
保守的なことは、良い部分もあるけど、チャンスを逃す可能性もあることは頭に入れておく必要がある。
じゃぁ、なぜ、保守的に考えてしまうんだろう?
無意識的に、「失敗=悪」というイメージがついているから?
それは日本の教育自体の問題点であり、課題でもあるのかもしれない。。
うーん、にしても文化の違いっていうのはなかなか根深い問題。。
会社でもそう。
その企業風土ってそう簡単には変わらない。
それは、監査をしていてもひしひしと感じる。
企業によって確実に風土が違って、それぞれにカラーがある。
縦割りな組織、フラットな組織、ギスギスした政治的な組織。
外から見てると違いがあって面白い。
中国のスピード感、少し自分も意識しておいて損はないかな。そう思った。