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相続があった年の税金や確定申告について知っておくべきこと

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普段、税金には無頓着だったあなたでも、相続が起きれば必然的に税金について考える機会があるでしょう。

 

あなたが会社員であれば、税金の計算は雇用主である会社(勤め先)がしてくれていますので、あなたは税金を差し引かれた給料を受け取っています。

自営業や税金に関わる仕事をしている人でなければ、普段もなかなか税金について詳しく考える機会が少ないかもしれません。

しかし、身内に相続が起きた際に、自分自身が相続人(遺産を受け取る権利のある人)であれば「税金の手続きは何かしないといけないのかな?」と少しは感じるでしょう。

相続が発生した際に考えないといけない税金は、「亡くなった人の財産や所得に対する税金」です。

 

今回は、相続のあった年に考えないといけない税金について説明します。

 

相続があった年に考えるべき税金は「相続税」・「贈与税」・「所得税」

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相続の発生した年に考えるべき税金は、基本的には以下の3つです。

  • 相続税
  • 贈与税
  • 所得税

それぞれの税金について、なぜ知る必要があるのか?を解説していきます。

なぜ相続税について知る必要があるか

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相続税とは、亡くなった人の財産に対して課税される税金です。

つまり、相続税は亡くなった人が相続開始日時点(=亡くなった事実を知った日)に持っていたすべての財産に対して税金が課税されます

 

相続税について知る必要があるのは、亡くなった人の財産額を把握した上で、相続税の支払いが必要かどうかを判断する必要があるからです。

仮に相続税の支払いが不要な財産額(基礎控除額の範囲内)であれば、相続税の申告も不要になります。

しかし相続税の申告が必要であるにも関わらず、相続税の申告と納付をしていない場合は、税務署より問い合わせがくることがありますし、期限内に税金を納めなかった場合には、罰則規定もあります(いわゆる、追徴課税です)。

あなたが税金の専門家でなかったとしても、相続税の概要を知っておくことは非常に重要なことです(概要さえ分かっておけば、具体的な手続きは税理士に依頼すれば済むのですから)。

 

相続税に関しての概要については、別の記事でも紹介しています。

良ければこちらをご参照ください。

www.wankorokun.com

 

なぜ贈与税について知る必要があるか

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相続なのになぜ贈与税?と思われる方もいるかもしれません。

相続税と贈与税には密接な関係があるのです。

贈与税は相続税の補完税とも言われており、「相続税が相続開始時点の遺産に対して課税されるなら、亡くなる前に子や孫に贈与したら(あげたら)いいじゃない!」と考えて税逃れすることを予防しているのです。

つまり、相続の際には相続税のみならず、贈与税についても計算が必要な場合があるのです。

また、亡くなる3年前までに贈与した財産はすべて相続財産として加算された上で、相続税の計算が実施されます(足し戻しされます)。いわゆる生前贈与に関する3年内加算です。

つまり、相続税のことだけを考えていると、贈与税についての漏れが発生するおそれがあります。

 

こちらの記事でも紹介しているので参考にどうぞ。

www.wankorokun.com

 

贈与税について知っておくべき理由はもう1つあります。

それは、「贈与」は強力な相続税対策となり得るからです。

これは相続が発生してから知っても対策は出来ません。

生前に少しずつ財産を減らしておくことで、相続税負担を軽減できる可能性が高まります。

この生前贈与についても、別記事で紹介しています。

ご興味があれば参考にどうぞ。

www.wankorokun.com

 

相続があった年の確定申告(所得税)の手続きについて

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毎年、2月16日〜3月15日の期間で所得税の確定申告が実施されるのはご存知の方も多いと思います。

住宅をローンで購入している方や、生命保険に入っている方であれば、確定申告をすることで税金を取り戻すことができるため関心が大きい部分でもあるでしょう。

自営業の方であれば、当然のように毎年確定申告を実施していることと思います。

 

では、相続のあった年に所得税の確定申告は必要なのでしょうか?すでに納税すべき人は死亡しています。

結論から言えば、「確定申告が必要な場合もある」ということです。

 

亡くなった年の確定申告が必要な場合は、必要に応じて、その親族の方や税理士が確定申告を行います。この死亡年の確定申告のことを通常の確定申告を区別して「準確定申告(じゅんかくていしんこく)」と呼びます。

この準確定申告は、相続開始日から4ヶ月以内に実施する必要があります。

 

所得税の確定申告の対象期間は、毎年1月1日〜12月31日なので、準確定申告についても基本的な考え方は同様です。ただし、年の途中で亡くなっている場合には、亡くなった日までの期間で確定申告を実施します。

 

例えば、2019年8月20日に死亡した場合には、2019年1月1日〜2019年8月20日までの所得に対して確定申告を実施することになります。

この期間の所得を計算して、所得税の納税もしくは還付が行われる場合に準確定申告が必要になります。

 

多くの方は、相続税の申告とあわせて、準確定申告についても税理士に依頼して実施してもらっています。

 

知らずに税金で損をしないために

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ここまで、相続税・贈与税・所得税について説明しました。

細かい部分は他にもありますし、実際に手続きをするには、もっと知っておくべきことはたくさんあります。

ただし、最低限、今回お伝えしたことを知っておくだけでも、万が一、相続があった際には役立つことでしょう。

 

税金をはじめとするお金に関する知識は、特に、知らずに損をすることが多いです。

税金の還付が受けられるのに申告していない場合や、もっと節税が可能だったのに出来ていない場合もあります。

もちろん、税金を支払うことを悪だとは思いませんが、必要以上に支払うことで自身の生活が苦しくなってしまうと元も子もありません。

 

もし相続税に関して知りたいことがあれば、相続税に強い税理士に一度相談することをオススメします。

多くの税理士事務所では、初回の相談を無料で実施していますし、税金の申告の話ですので、無理に契約を迫らせる心配もありません。

相談をする税理士が近くにいない場合には、税理士ドットコム を利用することで近所の税理士も検索することが可能です。

 

 

 すぐに税理士が必要ない方であっても、このブログを読んでいただくことでメリットがある情報に出会えるのではないかと思います(そうなるように僕も頑張ります)。

このブログでは税金の情報についても不定期で発信しています。

よければ今後も見ていってくださいね。

 

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