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赤字経営でも倒産しないために。重視するたった1つのポイントとは?

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もう答えを書いてるようなもんですが。笑

 

ここでいう赤字経営っていうのは、利益が出ていないことを指します。

簡単に言えば、売上から経費を差し引いてマイナスになってるってことですね。

 

決算書でいえば、税引前利益がマイナスの状態。

 

一見、これってすごく危ない経営をしてるように思いますが、意図的に赤字経営をしている会社も多くあるのも事実。

 

節税のために経費を使い込んで赤字にしてます、っていう個人事業主や零細企業の社長もいるかもしれませんが、節税のためにお金を使い込むのはあんまりオススメできません。

お金がなくなってしまったら本末転倒なのでほどほどに。。

それなら税金払った方がマシです。

 

赤字でも倒産せずに、順調に経営するためにはキャッシュフローをしっかり追いましょう。

 

利益が出てるから大丈夫!って高を括ってて逆に怖いのは、黒字倒産。

利益が出ててもお金が回らなくなると倒産します。

なので、キャッシュフローはしっかりチェックするべきです。

 

 

最も確実にキャッシュフローを追える方法は、キャッシュフロー計算書を作成すること。

これは上場会社であれば、第2四半期と本決算の年2回は開示することが義務付けられています。

本業で稼いだ「営業キャッシュフロー」、設備投資の量がわかる「投資キャッシュフロー」、資金調達のお金がわかる「財務キャッシュフロー」の3つに分かれるわけです。

でも、これを作るのって知識がないと結構大変ですよね。

そりゃ、作れるに越したことはないですし、ある程度の規模であればこれぐらい作れないと話になりません。

 

 

個人でビジネスをしたり、そこまで手間をかけれない方も、青色申告をするためや、業績は追っていかないといけないので最低限の決算書は作っているはずです。

 

 

そこで、これから紹介する指標を改善することを意識してみましょう、というのが今回のポイントです。

 

 

その指標が、キャッシュサイクル

キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とも言われますが、同義と思って問題ありません。

 

キャッシュサイクルの意味は、物やサービスを売ってからお金を回収するまでの期間です。

これは、その名の通り短ければ短い方が良い。

マイナスであれば尚良しです。

マイナスになるということは、お金を払う前にお金が入ってくるわけですから、その分、一時的に投資に回せるお金が手元に残ることを意味するのです。

 

キャッシュサイクルを求める数式は、

売掛金回転期間+棚卸資産回転期間-買掛金回転期間です。

 

このキャッシュサイクルを求めるために、以下の3つの指標を計算しましょう。

 

①売掛金回転期間

②棚卸資産回転期間

③買掛金回転期間

 

①の売掛金回転期間は、

売掛金÷売上高×365(日)で算定します。

「何日分の売上が債権として残っているか」ということです。

 

②の棚卸資産回転期間は、

棚卸資産÷売上原価×365(日)で算定します。

これも「売上何日分の在庫が残っているか」ということです。

売上高じゃなくて、売上原価を使ってるのは、棚卸資産は在庫なので、その金額には利益部分が乗っていないからです。

 

③買掛金回転期間は、

買掛金÷売上原価×365(日)で算定します。

これは、「ものを買ってから何日で支払う必要があるか」ということです。

買掛金も買った価格のうち、まだ払っていない掛け(ツケ払い)の金額なので、棚卸資産と同様に、分母には売上原価を使います。

 

 

これを計算した上で、

キャッシュサイクル(売掛金回転期間+棚卸資産回転期間-買掛金回転期間)を求めてみましょう。

×365としたのは、回転日数として考えた方がイメージがつきやすいと思うからです。

回転月数でよければ、×12にすれば良いです。

 

この指標が、マイナスになってるビジネスであれば、一時的にお金は貯まりやすいです。

 

なぜなら、払う前にお金が入ってきてますからね。

 

あとは、キャッシュフロー計算書を作ってマイナスになってなければより良いのですが、

そこはある程度経営感覚でわかるかもしれません。

 

100円で作ったサービスを、毎回50円で売ってたら、いくら早くお金を回収できても長続きしないのは誰でもわかるでしょう。

そんなことは誰でも気をつけてると思いますし、一時的に安く売ってたとしても長い目で投資して、中長期的には利益がでるという感覚であれば問題ありません。

 

 

今回は、「いかにお金を早く回収するか」といった視点を持ってみることに気づけるキッカケになれば良いと思います。

 

 

お金が手元に残るようになれば、投資にも回せます。

投資に回して規模を大きく出来ればさらに大きなビジネスができるようになります。

 

 

金融的な目線での投資資金もできますからね。

資産形成という意味での投資には、「複利」の概念が欠かせません。

この概念については、図も使って説明しているのでこの記事を参考にしてください。

 

 

Amazonの凄まじいキャッシュフローについて、ピンと来ない方はこの本を読むと腑に落ちるのではないかと思うのでオススメです。

 

圧倒的に規模を拡大しているAmazonの凄さもわかります。

 

 

 

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