転職(退職)には2つのパターンがあると思っています。
特に僕のような士業の世界では。
1つは、スキルアップ・キャリアアップのために転職(退職)するパターン。
もう1つは、今の仕事に不満があり転職(退職)するパターン。
前向きな転職理由
できるなら、前者の前向きな気持ちで転職を決断したいものです。
スキルアップやキャリアアップ目的で転職する人は、案外今の仕事に大きな不満は抱えていないことが多いです(多少の細かい不満はあるでしょうが)。
そんなに取り立てて不満はないし、結構恵まれていると思うけど、もっとこんな仕事をしたいとか、
ある分野で強みを伸ばしていきたいといった理由で転職を考えるのはすごく前向きな転職です。
こういった前向きな気持ちで転職できれば、次の仕事に対する前向きな期待も膨らみます。
転職活動の面接でも「こんなこともやってみたい」と素直に言えることでしょう。
後ろ向きな転職理由
一方で後ろ向きな理由での転職もあります。
決してこの後ろ向きな転職がダメというわけではありませんが、
できるならそれを前向きに捉える表現を考えてみるのがいいかもしれません。
- 今の仕事がハードすぎる→時間を大切にしたい
- 今の仕事がつまらない→ワクワクするような仕事がしたい
- 上司がブラック→環境を変えて、新しい考えを持つ人とも一緒に仕事がしてみたい
- 今の会社がブラック→他の会社でしかできない部分に魅力を感じた
- 給料が安い→自分の付加価値をあげて多くの収入を稼げる仕事がしたい
- 将来性を感じない→こういった点で将来性を感じられる環境で働きたい
いくらでも言い換えることができます。
少し前、同じ監査法人の会計士で、監査の仕事をしていた同期が独立開業しました。
その会計士の同期は監査法人を退職してすぐに独立したのですが、こういった理由を言っていました。
- 今の会社で評価してもらなかったのは、あの上司のせいだ
- 上司に魅力を感じない(ロールモデルがいない)
- 監査に飽きた
なんとも後ろ向きな言い方です。
後ろ向きな人には負けたくない
後ろ向きな転職(退職)をする人に限って、独立開業したら企業勤めの人を小馬鹿にする傾向にあります。
独立開業してる人で、どこか組織勤めの人を小馬鹿にしてる人ってよく会うんだけどなんでだろう?
— 公認会計士わんころくん@雑記ブロガー (@wankorokun_0707) 2019年1月11日
特に勘違いしてるビギナーに多いけど。
自分が偉いと思ってるのかな?
また、そういう人に限って、周りの人にもすぐに独立することを勧めます。
理由は次のとおり。
- どうせ最終的に独立するなら絶対早いほうがいい
- スキルがついてから独立するなんて言ってると、いつまで経っても独立できない
- やりながら覚えるのが一番近道だよ
- お金は銀行から借りればなんとでもなる
- もう面倒な組織から離れて自由に一緒にビジネスやろうよ
- サラリーマンなんてしんどいでしょ
- リスクをとらないとリターンは得られないよ
まぁ、ごもっともな意見ですし、この意見に反対するつもりはありません。
これを前向きな理由で退職し、独立開業した人が言うなら魅力的な部分もあるでしょう。
なぜなら、それは明確なキャリアアップになっているからです。
一方で、監査法人勤務時代の環境に不満があって、社内で評価もされなかった結果、それなら辞めて独立しますって人に言われても全然響きません(案外こういった人多いんですが)。
その人は認めたくないかもしれませんが、組織で評価されないのには明確に理由があります。しかも、ほとんどのケースでは理由は本人にあります。
上司がダメだったら、自分から声をあげてうまく環境を変えていけばいいし、付き合う人を上手に選べばいいのです。
上司がダメでも、その人に光るところがあれば必ず誰かが見てくれています。
それができないから文句を言うだけで評価もされないのです。
これは多くの人が認めたくないかもしれませんが、僕たちのような監査法人のような組織では常識です。
これを認めずに文句をタラタラ言ってるのも監査法人ならではです。
みんなプライドが高すぎるんだよね、もっと素直になればいいのにって思います。
それがわかってる人は、やっぱりどんな環境でも評価されています。
特に大手監査法人は、年功序列なんて全然気にしていないし、30代のパートナーが40代のマネジャーやシニアに指示をすることも当たり前にされるような組織です。
評価されないのには、それなりの理由がある。
周りのせいだと感じてしまう人は、一度、自分に落ち度がなかったのか?冷静に考えてみるのが良いでしょう。
これこそ7つの習慣で言われている「インサイドアウト」の考え方だと思うのです。
僕はスキルアップのために転職をしてから独立を考えています。
その話をすると、結構な確率でネガティブな人が「そんなの意味ないから早く独立したら?どうせ独立したらゼロからのスタートなんだから」って言います。
特に独立している人はそう言います。
確かに結果論では、その人が正しかったとなるかもしれませんが、
僕は独立したときに転職したからこそ、ここまで出来ているんだと胸を張って言えるようになりたいです。
そして、ネガティブな理由で辞めて独立した会計士には負けたくありません。
これは結構いいモチベーションになるかもしれません。
僕の意見が必ずしも正しいとは思いませんが、自分の直感を信じてあげることも大切です。
10年後、「ほらね」って言えるように努力したいと思います。