医者、弁護士と並んで三大国家資格と言われる公認会計士ですが、認知度はイマイチ低いようにも感じています。
メディアでも「医者や弁護士のような資格」といった表現は良く聞きますが、そこに公認会計士が入っていないことも多いのです。
私自身、公認会計士として仕事をしている以上、公認会計士の魅力をもっと世間に伝えていけるといいなと思いますし、より魅力的に感じてもらえる職業になれば嬉しいです。
そのためにはどうすればいいのでしょうか?
現状認識と対策について考えてみたいと思います。
- 公認会計士は三大国家資格の1つ
- 医者、弁護士と比較すると公認会計士は仕事内容が特殊
- 情報発信を増やしていく必要性
- ブランドイメージが資格の人気度に直結する
- 会計教育の必要性は高まっている
- 会計監査だけが公認会計士の仕事ではない
- より多方面のフィールドで第一線で活躍する必要性
公認会計士は三大国家資格の1つ
公認会計士の資格は、医者、弁護士と並んで三大国家資格の1つと言われています。
会計系の試験で最高峰の資格であり、当然難易度も高い試験になっています。
その一方で、他業種の最高峰資格である「医者」や「弁護士」と比べ、その認知度は高くありません。
医者は、誰もが直接お目にかかったことがありますよね。
あなたが病気になれば、病院に行ってお医者さんの先生に診てもらうハズです。
そのため「医者」を知らない人はいないと思います。
弁護士はどうでしょう?
「揉めている状況」に無ければ、弁護士にはお目にかかることはないかもしれません。
紛争を事前に回避する目的で「予防的」に弁護士を雇う企業や経営者も多くいます。
しかしながら、医者と比較すると弁護士も世間的にはそこまでお世話になる機会が多い職業ではありません。
にも関わらず「弁護士」を知らない人はいないと思います。
これは弁護士のブランドイメージと「法律」という市民生活に切っても切り離せない関係性があるのかもしれません。
弁護士はテレビなどのメディアで活躍する人も多くいます。
多くの地域で法律の無料相談会なども開催しています。
そういった意味で、上手に世間に露出できている(=認知度が高い)のかもしれません。
「弁護士=法律に強くて賢い人」というイメージが世間に染みついています。
医者、弁護士と比較すると公認会計士は仕事内容が特殊
それでは、公認会計士はどうでしょうか?
これを読んでいるあなたは、公認会計士のことを知っていますか?
公認会計士の主な仕事(独占業務)は会計監査です。
言い換えると、主に上場会社の決算書を監査し、世の中に公表される会社の決算数値の信頼性を支えている仕事です。
会計監査は、通常の日常生活で必要になることは一切ありません。
仕事内容に特殊性があり、世間での認知度がワンランク落ちてしまっています。
公認会計士の仕事(会計監査)は依頼主(企業)のためにするというより、第一義的には、投資家や債権者などのステークホルダーに向けられた仕事内容になっています。
公認会計士の使命にも「投資者及び債権者の保護」という言葉が出てくるほどです。
投資家などが投資判断を誤らないよう、比較可能性の高い適切な情報を世の中に送り出すことによって、国民経済の健全な発展に役立つことを使命としています。
仕事内容は非常に社会的意義の強いものですが、認知度がそこまで高くありません。
医者や弁護士と比べ、当事者でなければ仕事のイメージが湧かず、
公認会計士の魅力を自然と感じる機会は非常に限られています。
情報発信を増やしていく必要性
公認会計士をより魅力的な資格に感じてもらうためには、まずは情報発信を増加させる必要があります。
「公認会計士」と聞いて、「何の仕事?」とイメージされるうち認知度が高いとは言えません。
情報発信を多方面で増やすことにより、公認会計士が世間から認知され、その仕事内容に興味を持つ人が増えます。
結果として公認会計士の魅力も高まっていきます。
例えば、テレビ番組に出演している医者や弁護士をイメージしてください。
誰もが思いつきますよね。
医者と弁護士がどのテレビ番組にも出演していない日は1日として無いのでは?とさえ感じるほどです。
一方で、公認会計士を毎日テレビで見ることはありますか?
おそらく無いと思います(少なくとも僕はないです)。
テレビで公認会計士が登場するのは、特集が組まれたときや、企業の会計不正が起きた時などの有事に限られています。
バラエティ番組に登場する公認会計士も、あまり聞いたことがありませんしね。
メディアへの露出という点を見ても、公認会計士は情報発信面で優位性を保っているとは言い難い状況にあります。
この状況を打開するには、情報発信を増加させ、世間での認知度を高め、魅力を知ってもらう活動を増加させる必要があります。
近年では、ブログメディアを持つ個人も増加しており、SNSも普及していることで、非常に情報発信が簡単になりました。
多くの公認会計士が、その職業の魅力を発信しているような世の中になると良いなと思います。(僕も頑張りますね)
当面の目標は、「公認会計士」を知らない人はいないと思います、と言えるようになることです(少なくとも今は言える自信がありません)。
ブランドイメージが資格の人気度に直結する
ここまでの内容を聞くと、やはりブランドイメージが大切です。
「見た目よりも中身が大切」といった意見もありますが、「知ってもらわないこと」には、魅力を伝えることはできません。
ブランドイメージが高まることは仕事上の優位性も高まる点でメリットもあります。
ブランドイメージはその職業の魅力にも直結するのです。
例えば、アクセサリーを作っている会社があったとします。
あなたならどちらを購入しますか?(内容はフィクションです)
1.世界的なブランドであるルイヴィトンから依頼を受けて安価な材料で作成したアクセサリー(販売価格は29,800円)
2.無名な日本企業から受注して作成した高価な材料で作成したアクセサリー(販売価格は29,800円)
多くの人は前者(1.)を購入すると思います。
僕もおそらく、前者を購入します。
ブランドには、これだけの力があります。
公認会計士のブランドが高まれば高まるほど、
その市場価値(売れる値段)も向上することになるのです。
会計教育の必要性は高まっている
会計教育の必要性も高まっています。
日本公認会計士協会では、高校教育の授業に「会計」の学びを取り入れることを国に提言しています(2018年3月15日 日本公認会計士協会『「高等学校学習指導要領案」に対する意見』)。
現状の学校教育では、お金や経営について学ぶ機会がほとんどありません。
お金について勉強することはどこか「汚い」イメージさえ持たれていることもあります。
しかしながら、会計を学ぶことは、経営の根幹である将来計画、キャッシュ・フローの分析、投資判断など、ビジネスを行う上では切り離せない知識を学ぶことにつながります。
会計の基礎である「複式簿記」は、15世紀から現代まで変わらず利用されている普遍的なツールであり手段なので、その使い勝手は悪いとは言えないでしょう。
日本企業でも「年功序列」や「終身雇用」が崩壊した今、確実に会計教育の必要性を感じられることでしょう。
会計教育の必要性が高まり、公認会計士の認知が高まることにより、活躍するフィールドがさらに広がります。
学校教育に「会計」が取り入れられることで、公認会計士の認知度が現状より高まることも期待されます。
学校で取り扱われることで、誰もが「会計」について考える機会を与えられるからです。
結果として公認会計士の魅力向上に繋げることができます。
会計監査だけが公認会計士の仕事ではない
公認会計士の独占業務は会計監査ですが、その会計監査を軸に、活躍するフィールドは多方面にあります。それは、公認会計士試験の試験科目を見ても明らかです。
会計のみならず、経営、税務、企業法務、ITなど非常に幅広い試験科目を課しているのも公認会計士試験の特徴です。
その特徴を活かして、以下のように様々なフィールドで活躍する公認会計士が存在します。
- 会計監査
- 内部統制監査
- M&Aなどのデューデリジェンス
- 会計に関するコンサルティング
- 税務顧問
- 税務に関するコンサルティング
- 経営者
- 社外役員(社外取締役、社外監査役など)
- ベンチャー企業のCFO
など
さらに、公認会計士試験に合格した後も2年以上の「実務補習」が必要になります。
現状の日本で、「実務補習」の制度がある資格は、公認会計士と弁護士だけのようです。
ここでも「実務」をより体系的に学ぶ機会が与えられています。
より多方面のフィールドで第一線で活躍する必要性
より多方面のフィールドで、群を抜いて活躍する公認会計士が増えることによって、その魅力がさらに高まることと思います。
多くの分野で公認会計士が活躍できれば、より接する人(目にする人)が増え、自然と認知度も高まってきます。
そのためには、専門分野(会計、監査、税務)のみならず、公認会計士の枠に捉われない活躍が必要になってくるのではないかと感じます。