身内に相続が発生した場合、残された遺族である相続人の方へ税務署から「相続税のお尋ね」という文書が送られてくる場合があります。
いきなり税務署から資料が送られてくると戸惑ってしまいますよね。
この書類はどのように対処すれば良いのでしょうか?
相続税専門の税理士として業務している筆者が解説します。
税理士に依頼している場合→無視でOK
ほとんどの方は、相続税の申告を、知り合いの税理士もしくは紹介してもらった相続専門の税理士に依頼します。
税理士に相続税申告を依頼している場合、税務署側は、税理士から提出された相続税の申告書を通じて被相続人(故人)の遺産内容と税額を把握することができます。
この場合、「相続税申告のお尋ね」に回答する必要はありません。
税理士に任せておきましょう。
「相続税申告のお尋ね」の提出が必要な場合は、
・相続税申告をしない場合
と考えておくと良いです。
基礎控除額を超えないことが明らかな場合
相続税の申告は、基礎控除額と呼ばれる金額を超えた場合に必要になります。
(基礎控除についてはこちらの記事を参考にどうぞ)
相続税の基礎控除が改定されたことで、相続税課税対象者が倍増? - 公認会計士が考える人生戦略ブログ
「相続税申告のお尋ね」が届いているけど、ほぼ確実に基礎控除を超えないから相続税を支払う必要がない、と分かっている場合はどのように対応すれば良いのでしょうか?
「相続税申告のお尋ね」を提出しないといけないのでしょうか?それとも、無視してOKなのでしょうか?
結論から言えば、「提出した方が良い」です。
もし、本当に基礎控除額を超えないのであれば相続税を支払う必要がありません。
だから回答しなくて良いのでは?とも思ってしまいますが、税務署側は、「相続税の納税が必要かもしれない」と目星をつけた人にのみピンポイントでお尋ねを送っています。
また、税務署側は、
・相続税の申告
・お尋ねの回答
のいずれかを行ってください、と要請しています。
つまり、相続税の申告をしないのであれば、お尋ねの回答をしてください。ということです。
やましいことが無いのであれば、正直に回答すれば良いのです。あなたに何らの不利益は無いはずです。
「相続税申告のお尋ね」は全員に送られてくるわけではない
この「相続税申告のお尋ね」は、相続があった方の遺族に必ずしも送られてくるわけではありません。
税務署が把握している情報で、「相続税が発生しそうな方」にのみ送っています。
ただし、相続税が発生する方全員に送っているか?といえば、そうでもありません。
「相続税のお尋ねが届いていないから、相続税の申告も必要ないんだ」と判断するのは早計です。
相続が発生して、明らかに納税の必要がない方を除いて、税理士や税務署に相談するなど、しっかりと対応しておきましょう。